事業用の賃貸借契約書|作成時に注意するべきこととは?
現代社会では日々さまざまな契約が締結されています。
そして締結された契約から紛争が発生するということも多々あります。
このようなトラブルを回避するためには、やはり契約締結の際に使用する契約書をしっかりと仕上げておくことが重要です。
当記事では、事業用賃貸借契約書を作成する際に注意すべきポイントについて詳しく解説をしていきます。
事業用賃貸借契約の契約書作成において注意すべきポイント
事業用賃貸借契約では、一般の賃貸借契約に関する注意事項はもちろんのこと、建物や土地の事業利用特有の注意点もいくつかあります。
・対象になる物件の特定
賃貸借契約を締結する際には、対象になる物件を特定する必要があります。
企業同士の取引の場合、別の物件において契約が締結されていたということは稀ですが、当事者双方で対象になる物件に間違いがないかという点を確認する上でも、しっかりと特定をしておきましょう。
また物件の特定のほか、物件のフロア、面積、立地条件などについても特定できる状態にしておきましょう。
・使用目的を定める
一般の賃貸借契約でも同様のことが言えますが、土地や建物を借りる際には、対象物件の用法の定め通りの利用をしなければなりません。
そのため、物件を貸す側としては用法遵守違反が起きないように、その用法を制限しておくべきであり、借りる側としては対象物件が行おうとしている事業に適した使用条件となっているかについて確認する必要があります。
また、貸主側としては用法の範囲の確定だけでなく、もし用法遵守義務に違反があった場合には、契約を解除したり、損害賠償請求ができる旨についても定めておくと良いでしょう。
・休業補償の特約
事業用の物件に工事やメンテナンスが入り、物件の一部または全部が利用できなくなる場合には、借主側としては一時的に業務を停止しなければならなくなります。
このような場合には、本来事業によって得られる利益が得られなくなってしまいます。
しかしながら、休業補償の特約がある場合には、これらの利益について補償をしてもらえる場合があります。
ただし、数時間程度のメンテナンスなどであれば、休業による利益の逸失が発生しないため、補償されないことがほとんどですが、長期にわたる工事やメンテナンスがあった場合には、補償がなければかなりの損失となってしまいます。
このようなリスクを回避するために、借主であれば休業補償の特約があるかをしっかりとチェックするようにしておきましょう。
・中途解約と違約金
賃貸借契約を締結した場合であっても、事業が思い通りに進行するとは限らず、中途解約となってしまう場合があります。
中途解約はトラブル発生原因の典型例となっているため、貸主としては中途解約に関する条項をしっかりと設けておきましょう。
賃貸借契約で中途解約をする場合には、一定の期間に解約の通知をすることを条件としている場合がほとんどです。
一般の賃貸借契約であれば30日前などが多くなっていますが、事業の賃貸借の場合には半年から1年と長めの期間が設定されます。
また、中途解約をした場合の違約金についても争点となることが多くなっています。
そのため違約金についても事前にしっかりと定めておきましょう。
・賃貸借契約の解除
貸主側が一般賃貸借契約を解除するには、信頼関係が破壊されたと判断できる事情がなければなりません。
しかし、事業用の賃貸借契約においては賃貸人側から無催告で解除できる場合をあらかじめ定めておくことが通例となっています。
例えば2ヶ月以上賃料の支払いを怠ったときや賃借人が支払不能に陥ったときや、賃借人が民事再生手続きや会社更正手続きの開始の申立てを受けたとき、などがあります。
・物件明渡し時の原状回復
賃貸借契約が終了し、物件の明け渡しをする際には原状回復義務が発生するのが一般的です。
しかしこの原状回復義務に関しても、借主側にどの程度の回復を要求するかといった点でトラブルが発生しやすくなっています。
特に事業用の物件であれば、事業のために物件に何かしらの加工を加えている場合もあるため、どの程度で原状回復を求めるか、その費用の負担について事前に定めておくようにしましょう。
契約書のリーガルチェックはアーチ日本橋法律事務所にお任せください。
貸主側であれば契約書を作成した際、借主側であれば契約締結段階に入った際に契約書の内容に不備がないかについてなどを、法律の専門家にしっかりと確認をしてもらうことで、契約書内の条項について解釈違いによりトラブルが発生することを未然に防ぐことができます。
アーチ日本橋法律事務所では、賃貸借契約に限らず、各契約類型に関する契約書のリーガルチェックも専門的に取り扱っています。
お困りの方は一度ご相談にお越しください。
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