子供の養育費
離婚した場合、世帯収入が大きく下がることが考えられます。
そのため、親権を持ち、子どもを育てることになった場合、子どもの養育費を十分に準備できないことも少なくありません。
そのため、離婚後は養育費の取り決めを適切に行う必要があります。
■養育費とは
養育費とは、子どもを育てるために必要な費用のことを指します。
一般的には、経済的・社会的に自立していない子が自立するまでにかかる費用全般が含まれます。
この養育費に関して、離婚した場合であっても、親権を有しない親に養育費を支払う義務(扶養義務)があり、親の生活に余力がなくても、自分と同等の生活を保持するという強い義務であるとされています。
しかし、法的な規定が存在しないため、夫婦間の協議によって、具体的な金額や支払い頻度、支払い方法、支払い期間などを決めることになります。
そして、話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所の調停や審判、裁判などで決めることを検討します。
調停や審判、裁判で取り決めを行った場合は、不払いが発生した際には強制執行が可能となりますが、協議離婚の場合は、公的な証明書がないと、強制執行はできません。
そのため、協議離婚で養育費との取り決めをする際には、公正証書に残すことが重要です。
■養育費に関する取り決めを公正証書にするメリット
次に、養育費に関する取り決めを公正証書にするメリットについてご紹介します。
・強制執行が可能になる
養育費の支払い義務と執行受諾文言が記載され、公正証書として作成されている場合、相手が養育費を支払わない際に、裁判所の手続きなしに強制執行を行うことが可能になります。
強制執行とは、裁判所が相手の財産を差し押さえることで、強制的に支払わせることを指します。
公正証書に取り決めを残していない場合、基本的に強制執行を申し立てることはできず、調停や審判といった手続きで改めて養育費について取り決めることになります。
・合意内容について再度争う可能性が低くなる
公正証書は、当事者がその場で内容を確認しながら、公証人によって作成されます。
その際、公証人によって明確な形で文書が作成されることになり、信用性の高い資料として判断されることになります。
そのため、後に一方が内容について、異議を申し出たとしても、トラブルに繋がりにくいと言えます。
他にも、取り決めを公的な書類として残しておくことで、債務者に対する心理的拘束を高め、不払いを防ぐことや、不払いの際の回収金額の限度が増えるという点でメリットがあります。
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