貸店舗における大家の義務とは?契約時の注意点も併せて解説
貸店舗として不動産を貸す際に、どこまでが大家としての責任になるのか判断に迷う方もいるのではないでしょうか。
大家には建物を適切に使えるようにする義務があり、契約の内容によって対応範囲が決まります。
今回は貸店舗における大家の義務と契約時の注意点について解説していきたいと思います。
建物の使用を可能にする義務
大家には、借主が貸店舗を問題なく利用できるようにする「使用収益させる義務」があります。
契約書に記載された内容に従って、設備や内装などを整えた状態で物件を引き渡すことが求められます。
また、引き渡し後も借主が継続して営業できるよう、建物の不具合に適切に対応し、必要なメンテナンスを追う義務があります。
さらに、廊下や階段、トイレなどの共用部分についても、借主の営業に支障が出ないよう清掃や点検を行い、使用可能な状態の維持も大家の義務とされています。
建物の修繕義務
貸店舗において、建物の劣化や不具合が発生した場合、原則として大家が修繕する義務を負います。
たとえば、天井からの雨漏りや老朽化による配管トラブルなど、借主に責任がない場合は、大家が対応するのが一般的です。
なお、借主の故意や過失による損傷については、借主に修繕費用の負担を求めることができるため、契約書に修繕範囲や費用負担の明確な取り決めを盛り込んでおくことが重要です。
契約時に注意すべきポイント
貸店舗の契約を結ぶ際は、将来的なトラブルを防ぐためにも、いくつかの注意点を確認しておくことが大切です。
まず、契約書の内容は細かい部分まで丁寧に確認しましょう。
賃料や共益費、契約期間、更新の条件、解約時の通知期限などは、貸主と借主の認識にズレがないように明文化しておくことが必要です。
また、貸し出す物件の状態についても事前確認を徹底しましょう。
入居後に雨漏りや設備の老朽化などが発覚すると、貸主として修繕対応を求められるケースがあります。
契約前の段階で建物の状態をチェックし、不具合があれば修繕を済ませたうえで貸し出すことが望ましいです。
さらに、借主の資力や連帯保証人の有無についても確認しておきましょう。
借主や連帯保証人に十分な支払い能力がない場合、未払いのリスクが生じてしまいます。
必要に応じて、保証会社の利用も検討しましょう。
まとめ
今回は貸店舗における大家の義務と契約時の注意点について紹介していきました。
安心してビジネスを始めるためにも、契約内容をよく理解し契約条件をしっかり確認することが必要です。
トラブルを未然に防ぐためにも、疑問点があれば事前に弁護士への相談を検討してみてください。
当事務所が提供する基礎知識
Basic Knowledge
-
家賃滞納の時効は何年...
現在不動産賃貸をされている方には、賃借人の家賃滞納に悩まれている方もいらっしゃると思います。当記事では、家賃滞納の時効や強制退去について詳しく解説をしていきます。家賃滞納の時効民法では消滅時効の時期は5年と10年が規定さ […]
-
不貞・浮気相手への慰...
パートナーに不貞行為や浮気行為が発覚した際、相手方に慰謝料を請求しようと考える方は少なくありません。しかし、不貞行為が発覚したとしても、慰謝料を請求できないこともあります。慰謝料を請求するには、不法行為が成立する必要があ […]
-
面会交流権
離婚した場合、どちらか一方が親権者となります。そして、親権を持つほうが子どもと生活し、育てていくことになります。そうなると、親権者にならなかった方の親は子どもと一緒に暮らせなくなり、会うことが難しくなります。子どもに会い […]
-
不動産売買トラブル
不動産というよりも売買契約におけるトラブルの類型として、契約不適合責任というものがあります。契約不適合責任とは、当初の売買契約の内容とは適合しない、すなわち目的物に何かしらの瑕疵(トラブル)があり、契約の内容を達成できな […]
-
調停離婚の流れと協議...
離婚する夫婦の多くは、協議か調停で離婚を成立させています。協議離婚は夫婦の話し合いで離婚条件を決めるのに対し、調停離婚は家庭裁判所の調停委員を交えて話し合いを進めていきます。ここでは、調停離婚の流れと協議離婚との違いにつ […]
-
離婚後の氏と戸籍
離婚をするということは、戸籍を変えるということです。そして、場合によって、氏(名字)が変わることもあります。そのため、離婚によって氏と戸籍がどうなるのかについてや、どのような手続きが必要になるのかについて理解しておく必要 […]
よく検索されるキーワード
Search Keyword
資格者紹介
Staff

吉岡 正太郎Yoshioka Shotaro
離婚、不動産トラブルのご相談はアーチ日本橋法律事務所にお任せ下さい。
アーチ日本橋法律事務所は、皆様にとって本当の意味での「市民に身近な弁護士」が具体的に実現できるよう、
・個人向け顧問契約「マイ・ロイヤー~月額5000円」(税別)
・企業向け顧問契約「予防法務プラン」
をご提供することで、市民が法的サービスに接しやすい社会を強力に実現して参ります。
※各顧問契約については、全国各地域の皆様にご加入頂けます。詳細についてはお問合せください。
- 所属団体
-
- 東京弁護士会
- 第二東京弁護士会
- 法教育委員会
- 高齢者・障害者の権利に関する特別委員会
- 犯罪被害者支援委員会
- 経歴
-
- 学習院大学法学部法学科卒業
- 日本大学法科大学院修了
- アーチ日本橋法律事務所開設
事務所概要
Office Overview
名称 | アーチ日本橋法律事務所 |
---|---|
代表者 | 吉岡 正太郎(よしおか しょうたろう) |
所在地 | 〒104-0031 東京都中央区京橋1-1-9 千疋屋ビル4階 |
連絡先 | TEL:03-6265-1535 / FAx:03-6265-1537 |
対応時間 | 平日10:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能です) |
定休日 | 土・日・祝(事前予約で休日も対応可能です) |
アクセス | JR「東京」駅 八重洲中央口徒歩5分 (八重洲地下街を通れば雨にも濡れません) 八重洲地下街からお越しの方は八重洲地下街24番出口を上がり右にお進みください。 銀座線「京橋」駅 7番出口 徒歩4分 銀座線・ 東西線・都営浅草線「日本橋」駅 B3出口 徒歩5分 都営浅草線「宝町」駅 A6出口 徒歩7分 |
